匠シリーズ・エージェント層

AGENTONE

kintoneのイベントをきっかけに、無人で判断・実行するAIエージェント基盤

このページでは、AGENTONEが何をする基盤で、どのような仕組みで動き、 どこまでの操作ができるのかを、機能・設定・セキュリティの観点から説明します。

kintoneはサイボウズ株式会社の登録商標です。kintoneとはサイボウズ株式会社が提供するノーコードツールです。

01 — Concept

AGENTONEとは

コンセプト

kintoneのレコード追加・編集・ステータス変更や定期実行をきっかけに、 AIエージェントがレコードを読み、自律的に判断してフィールド更新・コメント・関連レコード作成などを実行する基盤です。「人が見ていなくても業務が回る」ことに特化しており、 対話しながら使うchatoneや、コードを生成するbuildoneとは異なり、常駐して待ち構える存在です。

動作原理

chatoneがブラウザ側で動くのに対し、AGENTONEはサーバー側(AWS Lambda)で動作します。 kintoneのWebhookがトリガーを送信すると、まずキュー(SQS)に積まれ、 ワーカーがLLMのツール利用ループを実行して判断・実行します。 人のブラウザセッションに依存しないため、最大15分の実行時間を確保できます。

CHATONE

低コード層

人が対話しながら使う。ブラウザ側で、その場で標準機能構築や操作を行う。

BUILDONE

プロコード層

標準機能の限界を、コード生成+自動テストで突破する。開発者が使う。

AGENTONE

エージェント層/今ここ

人が見ていない間も、AIエージェントが無人・自律的に判断し続ける。

02 — Deployment

導入・配布フロー

01

ホスト環境の登録

ライセンスキー+ホスト(管理アプリ)のkintone APIトークンで所有権を確認し、履行管理アプリを自動プロビジョニングします。

02

実行環境の確定(納品/BPO)

業務データのkintone環境を指定。ホストと同一環境なら「納品」、顧客の別環境なら「BPO」。この選択は一度きりで、以後変更できません。

03

Webhook URLの登録

イベント系トリガーを使う場合、発行されたWebhook URLをkintoneのアプリ設定に貼り付けます(定期実行のみの場合は不要)。

04

エージェントの作成・テスト実行

ウィザード形式、または対話で相談できる「設計エージェント」で作成し、サンプルレコードでドライランして挙動を確認します。

03 — Admin Config

管理者向け設定機能

設定画面は6つのタブで構成されています。

テナント登録 (initialize)

ライセンスキー+ホストのAPIトークンで所有権を確認するタブ。テナント初期化前のみ表示されます。

エージェント (agents)

エージェント一覧、ウィザード形式の編集、テスト実行(ドライラン)。対話で設計する「設計エージェント」もここから開けます。

共通ルール (policies)

禁止表現・トーン・エスカレーション先など、テナント全体に適用するポリシーを編集。

外部連携 (integrations)

freee・Notion・Atlassian・Google Workspace等、MCP接続のOAuth状態を管理。

kintone連携 (kintone)

操作対象アプリごとのAPIトークン管理と、ユーザー・組織参照用の共通APIトークン管理。

設定 (settings)

履歴トークン、実行環境(BPOのみ表示)、出力言語、自社LLMキー(BYOK)、トークン再発行をまとめて管理。

04 — Capabilities

エージェントが実行できる操作

レコード操作

検索・更新・作成・コメント投稿・ステータス変更・担当者変更。複数レコードへの一括処理にも対応。

添付ファイルの読み書き

Excel・Word・PDF(文書/スキャン画像どちらも)・画像ファイルを読み取り、ファイルのアップロードも可能。

ユーザー・組織情報の参照

ユーザー・組織・グループを参照(共通APIトークンが登録されている場合のみ有効)。

外部SaaS連携(MCP)

freee・Notion・Atlassian(Jira/Confluence等)・Google Workspace(Calendar/Drive/Gmail/Chat)と接続。サービスごとに読み取り/書き込みツールを個別に許可します。

終了宣言(finish)

success/failure/skippedのいずれかを明示しない限り、実行は完了したとみなされません。暴走を防ぐための固定設計です。

05 — Permission Modes

承認モード・権限制御

承認なし(自動実行)

判断から実行まで、人の確認なしで完結します。書き込み系ツールも最初から利用できます。

承認あり(人が承認)

提案フェーズでは書き込み系ツールが提示されず、エージェントは提案(実行方針の要約)のみを作成します。 kintoneのプロセス管理で承認すると書き込みが解放され、エージェントが改めて判断・実行します (承認内容をそのまま再生するわけではありません)。

アプリスコープ権限

エージェントごとに、操作を許可するアプリと権限レベル(書き込み/参照/ルックアップ)を設定します。 権限外のアプリを操作しようとした場合、kintoneトークン自体の権限に関わらず、プラットフォーム側で確定的に拒否されます。 承認要否をAIの判断に委ねない設計と同じく、暴走を未然に防ぐための固定ルールです。

06 — History

実行履歴・自己改善機能

実行ログの記録

実行前に履行スタブを作成(記録できない実行はそもそも行わない設計)。終了後に実行ログ・ツール呼び出し・関連レコード・所要時間を記録します。

実行結果ステータス

自動実行/承認待ち/承認実行/棄却済み/失敗/対象外。「対象外」は「今回は対応不要」という判断結果で、見落としと区別して残します。

手直しパターン分析

承認前に人が行った修正差分を月次でクラスタリングし、「ルール未整備(未カバー)」と「ルール違反」に分類。改善案を提示し、次のルール改善に使えます。

07 — Security

セキュリティ・権限設計

マルチテナント・BPO運用対応

サブドメイン×管理アプリで分離。ホスト環境(プラグイン・履歴)と実行環境(業務データ)を分離できるため、顧客のパスワードを預からずAPIトークン1本でBPO運用できます。

二段トークンの認証設計

低権限のwebhookトークンと高権限のadminトークンを分離。片方が漏れても、もう一方の権限まで昇格することはありません。

冪等性・暴走防止

SQSのコンテンツベース重複排除、副作用を伴った実行の再実行防止、同一レコードへの実行回数上限による自己ループ検知を備えています。

入力バリデーション

全APIエンドポイントでスキーマ検証を行い、不正なリクエストは実行前に拒否されます。

08 — Summary

まとめ:AGENTONEが解決する課題

AGENTONEは、「人が見ていない間の判断と実行を誰が担うか」という課題に答えるための基盤です。 レコードの変化や時刻をきっかけに、自律的にkintoneや外部SaaSを操作できますが、 その自律性は承認モードとアプリスコープ権限という2つの固定ルールで常に制御されています。 対話しながら使うchatoneや、コードを一度作って届けるbuildoneとは異なり、 AGENTONEは「常駐して待ち構える」役割を担います。

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